PFの持つ可能性・前編

 

 

PanzerFrame―――通称PF

今やアルサレア・ヴァリム・ミラムーンの三国の主力兵器である巨大人型兵器。

PFはヘッドフレーム、メインフレーム、アームフレーム、レッグフレームの四つの外装から構成されている。各ジョイント部分は規格統一されおり、高いカスタマイズ性を持ち、様々な戦況での対応が可能となっている。

また武器・兵装にも多種にわたる開発が行われ、現在もその開発は続行されている。

今までの兵器の常識を覆したこのPFの開発により、それまで弱小の傭兵国家であったアルサレアは強力な政治力を発揮し始める。

近隣諸国はPF技術を研究し追従を図っているが、その技術力はアルサレアに大きく引き離されている。

だが先日、ヴァリムからある一人の研究者が試作段階のPF用のシステムを持って、アルサレアに亡命して来た。そしてそのシステムは今後のPF開発に大きな影響を与え、戦場では大きな力となる。

 

今、会議室にはゼロとアクセル、暗部隊長のゼムン・ゼルバと副隊長のセシリア・アーデンヘズルが集まっている。

彼等の手元にはある資料が配られている。

「では、今回ヴァリムから亡命した科学者“マインドウィン・キリク”氏が手土産として齎した【HMシステム】について説明します」

セシリアは手元に資料を持ちながら会議室のモニターの前に立ちながら説明をする。

 【HMシステム】

それが今回、ヴァリムからアルサレアに亡命してきた研究者が持ち込んだシステムの名である。

「このHMシステムは特定の条件下により発動することができるシステムで、PFのカスタマイズや【BURMシステム】によって様々な効果を発揮する模様でプラスの補償も働けばマイナスの補償が働く場合もあります」

【BURMシステム】

BURMシステムとは、PF・BURST-MIND SYSTEMの略で、その全容は

PFのカスタマイズ状況をコンピュータが自動的に感知しその性能を最高に発揮できるように『特殊効果』を発動するシステムのこと。

例を上げれば、機体にかかる負担が大きい場合には負荷を最小限押さえるための機能制御を行ったり、カスタマイズ情報から意図的な改造が読みとれる場合はその特徴を活かすための各機能の向上を自動的に行う。

このシステムの開発は着手されたばかりでまだ謎に包まれている点も多く、また次々と開発される新パーツと既存のパーツの組み合わせにより、予想外の機能が発動するケースも考えられるといわれている。

「そしてこれがそのHMシステムを発動したJファーの状態です」

セシリアが手元のリモコンを操作すると会議室のモニターが映像を写す。

そしてそれぞれの反応は

「派手だな」

「まあ、簡単に言えば火事場の馬鹿力ってところだろ」

「アクセルの言うとおりだな、だが、このシステムを上手く使いこなせれば戦場では有利な力となるだろう」

モニターに映されたJファーの姿は全身が光り輝いている。

だがそれだけではなく、その光り輝くJファーはアグレッサー(仮想標的)であるJファーのスマートガンを真っ向から受けながら接近するがその装甲には微々たるダメージしか受けておらず通常のJファー以上の速度でブーストダッシュで接近する。

そして接近したJファーは演習用の出力を最低限まで落したレーザーソード、スタンソードを振り下ろす。このスタンソードを振り下ろす速度も通常のJファーでは考えられない速度である

そしてスタンソードで斬られたJファーは一撃で機体が停止する。

だが、HMシステムを発動したJファーもまた機体から発する光を徐々に収束させつつ機体の動きが止まる。

「HMシステムには発動時間がありそれが終ると機体はオーバーヒート状態となり暫く自機は行動不能になります。――――また、研究所の話ではHMシステムは発動時の硬直時間・発動時間・終了時硬直時間・発動回数というのもありそれらをも考慮しないと逆に此方がピンチになりかねません」

「ふむ、確かにそれらも考慮し自機がどのようなBURM状態、HM能力なのかを知っておかないと逆に自分で自分の首を絞めかねんな」

「メンドクッサ」

「だがアクセル、これからは恐らく全てのPFにこのシステムが搭載される筈だぞ」

「訓練校は大慌てだろうな。良かったよ早目に卒業できて」

「確かにな、訓練兵や教官共はてんやわんやだろうな、おおヤダヤダ」

アクセルは大げさに両手を肩の高さに上げて愚痴を零す。

「でもこれからはPFの開発や自機の調整なんかも大変になりそうですね」

「確かに、そしてこのシステムはアルサレアだけの技術じゃない。ヴァリムも勿論このシステムを使ってくるだろう。戦争は今以上に激化するのは確実だ」

ゼロのその言葉にゼムン中佐は頷きながらこれからのことを憂う。

と、そこに会議室にコール音が鳴る。

そのコールはセシリアの通信機のようでゼムン中佐に目配せをし、ゼムン中佐は首肯する。セシリアは通信に応じる。

「はい、セシリアです。――――――――――――――――――了解しました。では直にその資料を回してください」

セシリアは通信機から耳を離し全員の方に向く。

「セシリア内容は?」

「第一研究所からで【BURMシステム】【HMシステム】の新たなデータが上がったとのことで直ちに此方に回すように頼みました。―――――と、今来ました」

「読み上げてくれ」

「はい――――――今回の【BURMシステム】及び【HMシステム】の研究を行ったところ、新たな要素が判明」

「新たな要素?」

「その新たな要素とは、機体が装備する武装を排除することによるBURM値の変動で、通常のカタログスペックのBURM値はそれぞれPFが完全規格機体として表記されていますが戦闘時にそれらの装備した武装をパージした場合、機体のBURM値が変動することが最近になって漸くちゃんとしたデータとして観測し更に武装排除後【HMシステム】にも変化を確認とのことです」

それを聞いた三人は顔を渋くする。

「色んな意味でめんどくさいな……特に俺の機体」

「ああ、そういやお前の機体はライフルとレーザーソードを自在に切り替えれたな」

「ああ、それで一々機体の細かなパラメータが変わるのは面倒だ」

ゼロは思いっ切りげんなりする。アクセルはそれを苦笑しながら宥める。

「これからは機体調整時には整備班とは要相談だな。―――ああ、所でセシリア、他の№達への説明は?」

ゼムン中佐は顎に手を添えながらセシリアに向き直る。

「各№には現場で最も近い研究員が説明を行っておりますので問題無いかと」

「そうか、ああ後もう一つ程」

「なんでしょうか?」

「HMシステムの正式名称は何なんだ?」

「HMシステムの正式名称は、ハイパーモードの略です」

「って、そのまんまじゃん!!」

「なんの捻りも無いな」

アクセルの盛大な突っ込みとゼロの静かな突っ込みが木霊する。

「…私に言われましても………」

セシリアも困ったように眉根を寄せる。そして更に

「ああ、ちなみに先ほどの武器排除後のBURM値変動での名称もありました」

「なんだ」

「ダブルBURMシステムとのことです」

それを聞きアクセルは盛大にこける。

「ホント、なんの捻りも無いな」

「私もそう思うよ」

「まあ、研究者というのは往々にして変わり者というのが通説ですから…」

セシリアが微妙なフォローをするが対して効果は無い。そして会議も終わりゼムン中佐は頭を抱えながらも解散の旨を伝える。

「ふぅ、ではこれで解散としよう」

「「「了解」」」

が、セシリアはゼロとアクセルの二人に無残な宣告を告げる。

「全員解散と行きたいのですが残念な事にアクセル中尉とゼロ准尉の二人には先ほど新しい任務が来ました」

「マジスか姐さん」

「何となくそんな気はしていたよ、俺は」

アクセルはガックしと項垂れ、ゼロは諦めたように軽く溜息を付く。

「今回の任務は少し特殊で、海上のヴァリムの資源基地の破壊です。また今回は暗部№Ⅸとの共同作戦でもあります」

№Ⅸの言葉に二人は首を傾げる。

「№Ⅸは水中戦闘のエキスパートで、機体も専用の水中使用にカスタマイズされているのです」

二人は成る程と頷く。

「「任務了解、直ちに現地に向かいます」」

「お二人とも、ご武運を」

 

 

 

 後書き

チャプターⅠ-ⅤA終了

しかし設定だけでここまで長くなるとは侮れんな……でもJフェニって結構設定とかに矛盾が多いんだけどね。けど結構Jフェニってそういう点では作者の妄想力?想像力?などが試されるしいいと思うんだよね。

ちなみにJフェニ序章編発売当初はシステムが殆ど同じによりACのパクリと言われましたが本編にこのBURMシステムとHMシステムなどの登場によりACとの差別化をはかり、更に続編が出るたびに一風代わったシステムを引っさげて続編が出てきました。

続編でないかなー

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