初めての共闘・後編

 

 

時刻は深夜02:00時、場所はミラムーン領の地域アーマイル丘陵地

ゼロとアクセルは自機の中で今回の作戦の最終ブリーフィングを受けている。

『今回の作戦はヴァリム輸送部隊の強襲及び物資の強奪です。情報によれば積荷はヴァリム製のPF用の武器とのことです。くれぐれも物資を破壊しないように』

『あちらさんがその武器を使ってきた場合は?』

『その場合は敵機の腕などの四肢を破壊して回収してください』

『了解』

アクセルの質問にセシリアが直に返す。

それを聞いたゼロは

(つまり今回の作戦は物資さえ無事なら他はどうでもいいということだな……だが)

ゼロは今回の作戦について不明慮な点に付いてセシリアに聞く。

「セシリア少佐質問の許可を」

『どうぞ』

『おいおい、ゼロ。言ったろ、身内なら堅苦しいことは無しだってよ』

ゼロはあえてアクセルを無視する。

「今回の作戦、何故ヴァリムがミラムーン領からヴァリム本国へ輸送しているんだ? ミラムーンはアルサレアの同盟国じゃないのか?」

ゼロの質問に対しセシリアは少し顔を歪める。

『貴方の質問に関してですが――――――確かにアルサレアとミラムーンは同盟国ですが、その実ミラムーンの一部の人間はヴァリムと親交がありその技術をヴァリムに明け渡しているという情報があります。また現ミラムーンの大統領“ベルトリッチ・メガニド”氏はギルゲフと通じているという報告もあります。ミラムーンも今や親アルサレア派とヴァリム派に分かれているとも各所で言われています』

『その情報の出所は何所ですかい姐さん?』

アクセルもその情報が流石に良くないと睨み情報の出所を聞く、ゼロもその情報が何所から出たのか聞きたいと思っている。

『この情報を提供してくれたのは、現在ミラムーンからアルサレアに外交官として訪問されている“クレスト・ウォールナー”氏です』

その人物の名を聞いたアクセルは納得と頷く。

『成る程な、そいつは信用できそうだ』

「どういうことだアクセル?」

一人納得するアクセルにゼロは理由を聞く。

『なんだ? お前知らんのか? クレスト・ウォールナー外交官は若いがアルサレアと共にヴァリムとの戦争を終らそうと尽力している程の人物だ。だが、先も姐さんが言ったとおりミラムーンも一枚岩じゃない。戦争当初からのアルサレアとの同盟を頑なに守ろうとする奴等も居ればヴァリムに付いて戦争をとっとと終らして保身を保ちたい奴等もいるってのが実情だ』

「………………」

ゼロは珍しいものを見るような目でアクセルを見る。

『なんだよ』

「………お前って結構頭いいんだな」

『うっせぇ!! お前はオレをなんだと思ってたんだッ!?』

「細かい事を気にするな、禿るぞ」

『お前なぁっ!』

『ふふふ、そこまでですよ二人とも。目標の輸送部隊が来ましたよ』

目標が来たことをセシリアに告げられ二人は話すのを止める。

『たく、しかたねぇ、この続きは終った後だ!』

「悪いが任務が終ったら俺はそうそうに寝るぞ」

『付き合いが悪いなぁ、お前! そんなんじゃ女にモテンぞ』

「どうでもいいさ……ふぅ」

ゼロは一息付き、一拍目を瞑りその後ゆっくり目を開ける。

「ゼロ・エグジス、Jファー・カスタム、これより任務を開始する」

『アクセル・グレイス、Jグラップラー! OPEN COMBATと行くぜッ!』

『二人とも御武運を』

二機は前方にいる輸送部隊に目掛け突撃する。

 

『ロックしたぜ! 発射ッー』

アクセルが護衛の敵部隊に目掛け左肩の高熱照明弾を撃ちだす。

――高熱照明弾はその名の通り照明弾なのだが攻撃にも使える兵器である。撃ちだされた弾は放物線を描きながら飛んでいき着弾地点で広範囲に爆発し相手を吹き飛ばす兵器である。――

広範囲の爆風で吹き飛ばされた転倒したヌエと同じヴァリムの主力量産機“ロキ”はすぐさま立ち上がろうとした瞬間

『え』

目の前には巨大な剣――Jグラップラーのバスターソード――が眼前に現れる。そしてそれがロキのパイロットが見た最後の光景だった。

『クソ、アルサレアめ! 全機、輸送車両に近づけさせるな! フォーメーションで一気に叩くぞッ!!』

『『『『『『『了解』』』』』』』

突然の奇襲を受けるも護衛部隊の隊長はなんとか持ち直す。そして部下も続いて気を持ち直すが味方の一人がやられたことと護衛任務のためか余り士気が高くない。

そして何より

『こんなことで任務を失敗してみろ! オレの昇進がパーになっちまう!』

部隊の隊長は自身の出世にしか興味が無いらしく、酷く傲慢のようである。

『あらら、どうやら敵さん、フォーメーションでオレ達を倒そうとしたいらしいぜ』

「で?」

『オレ達もフォーメーションによるCBを決めてみねえか?』

アクセルはゼロに向かってニカっと笑いかける。

「ふっ、いいぜ、付き合おう」

ゼロも口を僅かに吊り上げながら笑う。

『オウ! そうこなくっちゃなッ!!』

二人は敵部隊の攻撃を回避しながら打ち合わせをする。

「それで? どっちが決める?」

『お前が決めろ!』

「了解!」

ゼロは再び不適に笑う。

「CBプログラム起動」

アクセルのモニターにゼロがロックオンしている機体がカーソルとして表示される。

『確認した! イッケヤッーー!!!』

アクセルはカーソル表示されている敵機――ヌエ――目掛け右肩のミドルフレアを撃つ。

4発放たれたミサイルは相手の眼前で爆発し視界を奪う。

そして視界が開けた先には

「捉えた」

ゼロのJファー・カスタムは右手にレーザーソードを持ち腰を落としながら構える。その姿はまさに居合い斬りを行おうとする剣士。

そして短噴射(クイックブースト)でブースタを吹かし一気に相手に詰め寄る。

「ハアァァ、一閃!」

―――CB:居合い斬り発動!―――

相手に高速で詰め寄ったゼロのJファー・カスタムは神速の如くレーザーソードを握った右腕を振り抜き敵機を一文字に斬り捨てる。

そのまま相手のヌエは上半身と下半身が分かれ崩れ落ちる。

「ハッ、その程度で」

ゼロは倒した相手を気にする事も無く次の相手に移ろうとする。が、

『アルサレアーーッ! オレの昇進の為に死ねえぇぇぇ!』

護衛部隊の隊長機のロキがゼロに斬りかかるが、それをアクセルが阻止する。

『テメエ、仲間がやられたのに自分の出世にしか興味ないのかよッ』

『ハッ! 部下等オレの出世の為の駒よッ!』

それを聞いたアクセルは小さく

『救えねえな』

と呟く。

『どうしたーッ アルサレ……あ?』

ロキのパイロットは呆然としている。

(な…んで、俺の機体の…武装が全部……吹き飛んでんだ?)

ゼロは目の前の光景に驚く。

(今のがアクセルの本当の実力!)

『消えな』

アクセルが冷たく宣告する。振り上げられたバスターソードが敵機の左腕を斬り落す。

『チッ、浅かったか』

アクセルは大きく舌打ちをする。

(チクショウチクショウチクショウこんな事で死ぬのか俺は! 俺は死ぬのか! 死にたくねぇ!! 折角重要物資の護衛なんていう大役を任されたのに死ねるかよッ、俺は黒夜叉のグリュウやクリムゾンソードのフェイトようになるんだ!)

そして突如、ロキのパイロットはブーストでアクセルから離れると近くに停車している輸送車両のコンテナを壊し中の新兵器を取り出す。

『オレはッ、死ね、死ぬわけにわいかねんだよッーーー』

『チッ、完全に精神が逝っちまってやがる』

「どうすんだアクセル?」

『お前は離脱した他のヤツ等を追え! この逝っちまったクズはオレに任しとけッ!』

「分かった!」

そう言ってゼロは逃げた部隊を追撃する。

『さあ、やろうや』

アクセルは不適に笑う。

『死ねーーーッッ!!』

ロキは残った右腕で新兵器――アサシンファング――を逆手に持ち突撃する。

『うぉッ、突進兵器か!』

突進兵器。

その名の通り、攻撃時に自動的にブースターが発動し相手に突撃する武器の事である。

だがこの武器には致命的な欠陥がある。それは攻撃終了後、つまりブーストが切れるまでは一切の行動が出来ないこと。

だが一度発動すれば一気に相手との距離を縮められるという点もあるため中々クセの強い武器でもある。

だがこのロキのパイロットはただ武器を構えて突っ込んでくるしかしない。

『―――だが……………ただの猪だな』

『ハアアァァァァーーーッッ』

先ほどからアクセルは相手の攻撃を左右に動きながら回避するだけで一向に攻撃をしない。

『五月蝿え』

そう呟いたアクセルはロキにミドルフレアを6門の砲門から6発を一度に撃ちだす。

『ぬあぁぁぁッ!』

そしてそれを突進中に全弾全て喰らい吹き飛ぶ。

『ああぁぁ、オレがコンナ! ナゼダ!!』

『そんなんだからだ』

『!!』

目の前までアクセルが迫りロキのパイロットは今の状況に絶望し精神崩壊を起こすもまた機体を起こしアクセルに向けて突撃しようとするが……

『!? どうしてだ! ナゼ動かん!! このポンコツがぁぁッッ』

『当たり前だ、あれだけブースタを使う行動ばかりしてたらジェネレーターがオーバーヒートするのは自明の理だろうが……じゃあな、今度こそ死ね!』

そして今度こそ死出地の刃を下ろす。

 

残りの逃げた敵輸送部隊を撃破したゼロはアクセルに通信を繋げる。

「アクセル、無事か?」

『ハッ、誰に言ってんだよ! このオレ様があんなのにやられる筈が無いだろ!』

「そうかい」

『そうだよ、そんでお前の方はどうなんだ』

「こっちも終った。後は後続の部隊に任せればいいな」

『ああ、そんじゃ帰るか』

「ああ」

『姐さん、MISSION COMPLETEだぜ』

『確認しました。二人とも後は後続の部隊に任せて帰還してください』

「『了解』」

 

 

 

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後書き

チャプターⅠ-ⅣB終了

なぜか知らないけどかなり長くなった後編。全く持って無計画だと実感します。

まあこのJフェニのSSは自分が書きたかったからという理由だし、基本的に創作関連はそういうもんですよね………ダメ?(ぉぃ)

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