<SIDE:ゼロ>
南極での採掘を終らせて次のポイントである南米にやって来たわけだが、有澤重工の社員の話だと、現在の南米はBETAの侵攻が余り無く、また南米は南極以上に鉱山等やそれらが存在する島々が多く存在する。
それに此処は日本では無く外国の為、日本の企業が直接採掘して掘り出す訳にもいか無いために幾つかのレアメタルは既に有澤重工の南米支社がそれぞれの政府と交渉して多くは無いがそれでも各地から交渉し購入したレアメタルの総量は1トン近くも及ぶらしい。
そして今度は集まったレアメタルを一先ず日本の有澤重工本社に届けるために幾つかの貨物船が集まったレアメタルを載せる作業を先程からしている。
本来なら俺達も手伝うべきなのだろうが俺達は俺達でどうやら別件があるようだ。
『全員居るわね?』
この香月博士からの別件ださぞかしとんでもないことがきそうだ。
香月夕呼、オルタネイティヴ4の最高責任者で天才的な物理学者、シロガネやカガミに取っては恩師に当たる人物らしく俺達のような異世界人に取っても必要不可欠な人物だ。
「それで今度は如何しました?香月博士」
ジャックはまた何か厄介ごとが来たのかと若干うんざり気味の声を出す。
『うんざりしたいのはこっちよ』
「何かあったんですか夕呼先生」
『前々からあんた達を引き入れたいとか仕事を頼みたいとかの依頼が各国から来ていたのよ、で、先日国連軍がアフリカ方面の政府等の各所から物資の輸入だとか増援の手配だとかを頼まれてね』
「それで我々に白羽が立ったというわけですか」
『そういうこと、はぁ…それにしても、アタシは何時からあんた達のマネージャーに成ったのかしら?』
「それはある意味仕方の無いことじゃないですか」
確かにな、明星作戦であれだけ派手に暴れたんだあっちこっちの勢力が俺達に興味を示すだろう。
俺達はレイヴンは仕事が入り生活が助かる。俺達に仕事を依頼した国はBETAを撃退できて此方も助かると考える分には互いに悪いことではないが、現状香月博士しか俺達と連絡を取り合う方法を知っている。
その為他所が俺達に仕事を依頼するには香月博士を介して頼むし方法は無い。
勿論直接俺達に会って仕事を依頼するという方法もあるが、多分そんな事は稀だ。現在俺達は日本では無く仕事で海外に居る。そこで行った先の政府等から仕事を依頼されても俺達は現在進行形で仕事を請けているため別の仕事を請けるわけには行かない。
傭兵にとって一番大事なのは信用と信頼で、実力の低いヤツ、実力は有っても人格に問題が有るヤツは依頼主からは嫌われる。
レイヴンに取って実力が全てと言われるが矢張りそんな物は極論でしかなく、真の一流のレイヴンと言うならばそれはどんな仕事でも確実にこなすのが一流だろう。例えば強襲任務や防衛任務等、また時には依頼主側の勢力や別のレイヴンとの共闘など上げれば切が無い。そしてそんな任務を確実にこなしてこそが一流だと思う。
但し香月博士の場合は特殊だろう。彼女は俺達にとってはスポンサーで他の依頼よりも重視しなければいけない。本来ならそれは俺達の世界風に言えば特定の勢力との直接契約となる。正直言って余り好ましい物じゃない、ジナイーダなど特に最初は渋っていた。だがこれはどうにもならない、俺達の事を真に理解できるのは香月博士しか居ないのだ、ならば彼女に従うしかない、それに今の任務であるレアメタル採掘に於ける各種支援は有澤重工から依頼だが同時に香月博士からの依頼でもある。なら今回の通信も追加依頼と思えば得になんてことは無い。
『ふん、まあいいわ、それじゃあ本題に入るわね、あんた達に頼むのはアフリカ大陸の国エジプトの国連軍基地の防衛よ、ただ防衛といっても基地周辺で戦闘するわけには行かないから多分砂漠での戦闘になる筈よ、その事を理解した上で作戦に当たって頂戴』
「「「「「「「「「了解」」」」」」」」」
『それと現地にはA-01も向かわせるわ』
「え?!何でですか?夕呼先生」
『A-01には新兵器の実戦でのテストを行って貰う積りよ、それともし幾つかのレアメタルが間に合って届けられたら新型機のテストも行わせるわ』
!?
「もう完成してるんですか!?」
『フレームとブースト関連は完成してるわ、武装も既存の物が使えるしあんた達のお陰で新しい武器が開発できたしね、ただ一番の問題がジェネレーターと内装関係なのよ』
「成る程、その為のレアメタルですか」
『勿論そうだけど、他にも装甲とかにも使用は考えているわ、でも一番の目的はあんた達の考える通りレアメタルはジェネレーターへの使用が目的よ』
驚いたな、まさかこの短期間で早くも一機完成に漕ぎ着けるとはな。
『で、あんた達は現地でA-01と共同して作戦に当たって貰うからその積りでお願い』
「「「「「「「「「了解」」」」」」」」」
『あとアフリカには他所からも部隊が来る筈だから、一応警戒しときなさい。現在アフリカにいると分かっているのは国連軍とアフリカ連合軍に近々イギリスから王室騎士団の海外派遣部隊が来るとの事よ』
「夕呼先生、騎士団てなんですか?」
『そのまんまの意味よ、イギリスが保有する最強の戦術機甲師団で今でも欧州方面で活躍しているわ。まあ白銀に分かりやすく言えば日本の斯衛みたいな物よ、但し待遇なんかは断然騎士団の方が優遇されているけどね』
「へ~」
さて取り敢えずはまた面倒なトラブルが起きないことを祈るか……無駄な気がするけどな。
『ああ、それと………』
?
香月博士との通信も終わり。後は輸送艦の方の準備ができれば問題無い。
と、そこにエドから通信が入った。何となく全員で【入洞】の格納庫にある俺達の機体が置いてある一角に向かった。
格納庫にはエドとシーラが居た。その足元には複数の紙袋。
「エドそれは何だ」
俺が全員を代表してエドに聞くとこいつは、
「ああ、こっちの五つの紙袋にはコーヒーや紅茶に酒にヤニとかだ」
「何だってわざわざ」
「日本人には悪いが、俺は帝都に売っていたあの合成食品はダメだ。けどここには高いが天然物が売って有るからな、今の内に色々と揃えたって訳だ」
成る程、確かに合成品は味こそ酷いがその代わり栄養価は高いってメリットがあるがエド達にはその味の悪さは耐えれんか、俺は別にレーション感覚で食ってたからそこまで気にならんが……
あれ?そういやこいつ等金は如何した?確か日本円しか持ってないだろ、俺達の世界の単価の【C】コームじゃ買えないし、それに一番気になるのが守銭奴のシーラが良く認めたな。
その事を聞くとシーラが
「お金の方は予備のPDAやいらないヤツを分解して売ったわ、それとゼロ、誰が守銭奴よ!私だってお金は余り使いたくないけど自分が快適に過ごせるならお金に糸目は付けないわよ、エドが言うとおり合成品は味が酷いから多少の出費が出ても十分妥協するわ」
「そうかい……で、そっちは?」
「ん」
もう一塊の方の紙袋が何なのか聞いてみるとエドがその内の一つを取って中身を取り出した。
肝心の中身は……服?
「ちゃんと人数分あるぜ、オマエさん等これから先ずっとその格好で居る積りか?」
俺の服装は蒼色のアーミーパンツに黒のタンクトップに蒼色のジャケットでシーラも似たような服装だ。エドは自前のスーツを着ている。但しネクタイは付けて無く格好も少しだらしない、本人曰くこの方が楽との事だ。確かに俺も正装とかは苦手だし格好など気にもしない。
兄貴は藍色のジーパンに俺と同じ黒のタンクトップに緑のジャケットとラフな格好だ。
シロガネもジーパンに黒のシャツに白の上着とラフな格好だ、というか私服だ。
カガミもシロガネと同じで私服だ。シーラ曰く少女らしい可愛らしい服装だ、その辺りは俺にはよく分からんが。
ジナイーダは新緑のアーミーパンツとジャケットで、ジャケットの下は黒のシャツだ。
ジノーヴィーはズボンもジャケットも下に着ているシャツも全て黒で統一している。
エヴァンジェはアライアンスの標準の軍服らしく、ジャケットには戦術部隊のエンブレムが付いていたが目立つためそれらは接がしたとのこと。
ジャックもジノーヴィーと同じで全身黒で統一している。
と、まあ確かに全員バラバラだな。
「別に今の格好でも問題無いだろ?」
「プライベートの時とかはいいだろうがよ、軍の施設とかに居る時はそうもいかんだろうが、だから俺がわざわざ有澤の社長さんに俺達の新しい服を発注したんだ」
「良く作ってくれましたね」
「あっこ戦術機以外なら軍事関係の物は大概作っているんだと、だから南米にも支社があるんだろ」
「成る程ね………で、代金は?」
「♪~~~」
どうやらシーラはこの事に付いては聞いていなかったらしく問い詰める。エドは明後日の方向を向きワザとらしく口笛を吹く
「これからのエドの分け前は報酬の5%ね」
「ちょ、まッ、スマンかった。謝るって、代金は出世払いって言っといた」
流石に報酬の分け前が減らされるの勘弁ならないのでエドは謝る。それにしてもこの阿呆は。
「取りあえず着てみません」
「そうだな、折角だ有り難く着ようじゃないか」
「まあ確かにそうだな、ところでこれサイズ合ってるのか?」
シロガネの提案にジャックが賛成し他も別に不満は無いらしく着替えに行こうとするがジナイーダがサイズの事を聞き出した。
「サイズの事なら心配するな、俺の目が導き出す答えは外れたことがねえ!ちなみにジナイーダのサイzッブッハッー」
「はあはあ」
ジナイーダが神速で接近する、その細い足で思いっきり蹴り上げる。エドの顎にクリーンヒットして大きく吹っ飛ぶ、それこそカガミに殴られたシロガネ見たいに、キジも鳴かずば撃たれまいに。まあ生きていることを願おう。
「ゼロ…助k…グッハ」
幻聴だ。
「「「「な~む」」」」
今この瞬間俺達の心はシンクロしていた。
で、着替えてみたが……まあ着心地は悪くない。
新しい服は、黒いアーミーパンツに黒のシャツもしくは黒のタンクトップに黒の長袖と半袖のジャケットだ。
黒で統一されているのは鴉をイメージしての事なんだろう、またジャケットの胸ポケット部分と肩の部分には鴉のエンブレムが縫いこまれている。
正直かなりの出来だ。
「どうだ?」
「悪くない」
「ええ、いい感じですよ」
全員満足気だな。
「いい感じじゃないか、こう全員同じ服装だと統一感があってさ、形から入るのも良いもんじゃないか、それと話だと、ちゃんと機能性を重視して作られてるとのことだ」
まあ確かに間違っては無いな、一応同じ組織の人間なのに服装もバラバラだと違和感があるのは確かだしな。
こういう所はエドは頼もしく感じる。
エドはリサーチャーな為あらゆる所とパイプ持っている。そもそも俺とエドの出会いは特攻兵器襲来前だ。当時アリーナやトレーニングプログラムをしていた俺に仕事で来ていたエドが本人によると何となく声を掛けたのが出会いだ。それからも何だかんだで酒を飲んだりして話したりしていた。
特攻兵器襲来後は俺と組まないかと話を持ちかけ、その縁でシーラとも出会った。そこからだなエドの仕事の腕を知ったのは、最初は拠点となるガレージの確保に混乱中の施設からAC用の数百もあるパーツを旨くかぱっらって来たりと良く驚かされてた。
そしてリサーチャーとして様々な情報を集めてきたりと正直感謝しても足りないくらいだ。
「ゼロ」
横から呼ばれたので声のした方を向くとクレズが居た。相変わらずのボサボサ頭にメガネと白衣だ。その手には二枚のディスクを持っている。
「クレズ、その手に持っているディスクは何だ?」
「ひっひっひっひ、これか? これはルシフェルに保存しておいた私達の世界のデータだ。ああ、それとゼロ伝えなければいけない事が有る」
そんな物を如何するのか聞きたかったが、クレズがいつも以上に真剣な顔をするので先にそっちを聞く。
「なんだ?」
「ゼロ、次の戦闘ではルシフェルのリミッターを解除して戦え、それとできれば装備はS型も望ましい」
「どうしてだ?確かにリミッターを解除したルシフェルの戦闘力は魅力的だがメリットもあればデメリットもある。それにS型にする理由は?」
「ルシフェルのジェネレーターだ」
「!」
その言葉だけで十分だった。ルシフェルのジェネレータは通常の物と違うあの【パルヴァライザー】と同じエネルギー元で動いている。その生み出されるエネルギーは無限で使わなければ永遠にエネルギーは生み出される。まさに永久機関とも呼ばれる代物だ。だからルシフェルは溢れ出る程のエネルギーを消費しないと機体が持たなくなり、最後には爆発する危険性もある。
「分かった。次の戦闘は全力で生かせてもらう」
「ひっひっひっひ、頼むよ、私の素晴らしい作品を壊さないでくれよ」
「ふん、善処しよう。ああそれと先の…っていねえし」
はあ、ホント面倒なことになって来たな……
後書き
第三章第四羽終了
いかんタイトルが浮かばなくなって来たぞ(泣)
さて今度はアフリカで暴れます。それも色んな方たちと、ああ書ききれるだろうか心配だ。
さてまた幾つか伏線が出てきましたが、今は気にしちゃいけません。それと彼等に着替えて頂きましたが、正直こういうのは難しいですね。せめて絵で表現できればいいんですけど生憎自分にはその才はありません。
絵が描ける方が羨ましい…いえ別に催促している訳ではありません。ただ純粋に絵が描けれる人が羨ましいだけです。自分の絵なんて小学生以上に酷いですからねハッハッハッハ……う(つд`;)
ちなみにジャックの服装がつなぎだと思った人はちょっとこっちに来なさい、ゲイヴン達に引き渡すから。
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