<SIDE:白銀武>
寒い、ものすんごく寒いぞ!防寒具の意味がねえぞ!
「タケルちゃんタケルちゃん、ほらほら見て見て~ペンギンさんだよ、もって帰りたいな~、一羽くらい大丈夫だよね」
なんで純夏はこんのクソ寒いのに元気なんだ? それと……
「いいわけねえだろ! たっく、ほら寒いんだからとっとと行こうぜ」
「あ~まってよタケルちゃん」
現在の南極の気温は氷点下20度以下で俺達の機体は寒冷地様に改修していなかったので外での行動はあれっきりで資源の回収は昭和基地の帝国軍に任せて俺達は寒いので昭和基地を見学している。
勿論俺としては施設の中を見て居たかったのだが純夏がペンギンを見たいと言い出したのでわざわざ外に出てペンギンを探す破目になった。
再び基地に戻り現在の作業状態がどの位進んでいるのか見に行くため採掘施設に来たがここもやっぱり寒いな、辺りを見渡すとゼロさんとジナイーダさんとシーラさんが居た。
「ゼロさん、ジナイーダさん、シーラさん」
声を掛けると俺に気づきゼロさん達がこっちを向く
「ん、シロガネかどうしたんだこんなところに来て?」
「そういうゼロさん達こそ何してるんですか?」
「俺達は一応現在の作業状況を確認するために来た」
ということは俺と同じか
「俺もゼロさん達と同じで今の作業状況を確認するために来たんです。あと他の皆は?」
「他の皆は、えっと」
「ジノーヴィーとエドはタバコが吸えんとかでどっかに行った」
「兄貴は整備班の連中と何やら話しこんでる。エヴァンジェはジャックの代わりにここの責任者との話し合い、で、ジャック本人は言わずとも分かるだろ」
「ああ、はい…」
あれには驚いた。
「まさか砕けるとは思いませんでしたよ」
「ああ…」
「危うく水没しかけたからな」
そうなのだ、氷山を破壊したあの後、帝国軍の寒冷地仕様に改修した陽炎の中隊が来たので後は任せて俺達は一度撤収した。
その後は昭和基地に隣接した港に船を止めた後、俺達もACで作業を手伝うことになった、装備を殆ど外し左手のレーザーブレードのみにして再び海面につまりは氷の上に足を付けた。
他の機体は良かった、でもフォックスアイが氷の上に着地した瞬間、氷にひびが入り……砕けた。
俺達は直に飛び上がったがジャックさんは足元が崩れたため離脱が遅れてジナイーダさんの言うとおりフォックスアイは危うく水没しかけた。
なんとか水没は免れたが右脚部が海面に浸かり右脚部は凍りつき脚部内装は完全に逝ってしまった。
その為ジャックさんは【入洞】で留守番することになった。
「でも装備を殆ど付けていないのに氷の上に着地しただけで砕けるとわね…」
「まあフォックスアイは重量級だからな、今更あのアセンにどうこう言えん」
「そもそも内装を変えればいいんだがな、知っているか?フォックスアイのジェネレーターとラジエータは最重量クラスなんだと」
「本気か?それでよくあそこまで戦えたものだな」
「あの結局の所ジャックさんって強いんですか?」
純夏の疑問も尤もだな、今までの戦いなんかでジャックさんの実力を見てきたし直に味わったけど強いかどうかよく分かんないな。
「強いと言えば強いのかもな、ジャックは以前アークでのランキングは三位だったからな、それに俺達の中では一番の最古参だ」
「まあそれでも実力は中の上がいい所だな、ジャックの最大の武器は知略だ、実力が低くてもそれを覆すだけの知力があれば大概の戦場はどうにかなる、この世界では人の予測の範囲外の行動をするようなBETAでも同じ人間ならジャックをそうそう出し抜けたりはできん」
「そういう意味ではジャックには感謝するな」
成る程、でも俺はそのジャックさんにすら勝てなかった。
たとえ因果から他の【俺】から記憶や知識、肉体能力、戦闘技能などを継承しても今の俺ではこの人達には勝てない。
ならどうする?
そんなこと簡単だ。
今よりも更に強くなるだけだ、もうただの無知なガキじゃない、終わりを絶望を知っているからって自分にしか世界を救えないとも思っちゃいない。
今の俺には心強い味方がいる。
最強の兵器そして最強の傭兵、これらがある限り人類は絶対に負けない。
<SIDE:ジャック・O>
【入洞】の通信室で現在は香月博士と連絡を取っているが、どうやら向こうは何らかの計画を企てているらしい。
『あんた達から預かったパーツやデータから新兵器を開発したわ、毎度毎度感謝するわ』
「それについては礼に及びません私達が交わした契約を守って頂けるなら特に言うことはありません、が先程のはどういう意味なのか教えていただきたい」
『いいわもう一度説明するわね、オルタネイティヴ4は一応00ユニット無しでもどうにか行けるていうのは理解したできたでしょ』
「それに付いては理解しています。鑑純夏と社霞の両名の存在がオルタネイティヴ4完遂の為の【答え】を持っていると」
『そうよ、ご都合主義な感じだけど彼女たちの様な存在は有り難いわ、ただし00ユニット無しでいくからハイヴ攻略などには白銀が考案した新型OS【XM3】そして有澤重工との共同プロジェクト【コアプロジェクト】これが今後の鍵を握るわ』
そうその計画が謎だ。
「具体的な内容をいいだろうか」
『勿論よ、それにあんた達レイヴンズネストにとっても重要な計画よ、【コアプロジェクト】は既存の戦術機とは違いあんた達の兵器【アーマード・コア】をオリジナルとした量産計画よ、でも現在のこの世界の技術力で再現できることは少ないのが事実、だったらいっそのこと戦術機で真似事をしようというのがこの計画の趣旨よ』
成る程やりたい事は理解できる。だが、この世界では色々無理が有る筈。
武器などはいいだろう、銃の口径などは世界共通だと聞いている。だが戦術機本体だとそうも行かない、ACは各企業が共通のハードポイントに則ってパーツを開発している、だがこの世界の兵器は国に基準して開発している。国連軍などで共通して使われている戦術機などなら可能かも知れんが……
『疑問に思っているようね、でも当然ね』
「ええ、あなた方が開発している戦術機は基本的にフレームの交換性など無い」
『そうよ、私達が使っている戦術機は武器などの共有できても各部位の共有はできない、ならどうするか?答えは簡単、それに態様した新型を作る』
「それはコスト的には如何なのでしょう?」
『確かにコストの問題はあるわ、でもやる価値はあるしそれに於ける戦果も期待できると私は思うわ、設計図は出来ている、なら後はあんた達の協力だけよ、その為にレアメタルの採掘を依頼したんだから』
「まあ此方に不都合が無ければ構いませんが……それでこの後の私達の行動は?」
『次に向かうのは南米だけど、南米は他の地域に比べてBETAは殆ど居ないわ、それにオルタネイティヴ5の連中が何もしてこなければ何も問題無いけど、ただ…』
「ただ?」
何故か香月博士は急に言葉に詰まる。
『一番の問題が南米の次に向かうアフリカ大陸なのよ、アフリカ大陸はユーラシア大陸と同じで現在の世界で最大規模の前線よ、BETAの襲撃や出現時の数の規模等は最大級で簡単には行かないのが実情よ、国連や各国からの派遣部隊や物資の供給などは行われているけどそれでも追いつかない程で多分あんた達がアフリカに行けば十中八九現地から依頼が入る筈よ』
成る程、それは確かに厄介だな。
「了解した、その時には此方も手を打とう」
『頼むわね、今あんた達にもしもの事が有ればあたし達は破滅するわ』
その言葉を残し香月博士からの通信は切られる。
さて、大変なことに成りそうだが、同時にチャンスでもあるな。
これからの行動のプランを確りしなければな、それに私自身の腕の向上と【彼】の成長が重要だな。
白銀武、私の目に狂いが無ければ彼はこの世界の……
後書き
第三章第三羽終了
どうもこの話を書き始めた頃から某動画投稿サイトの作業用BGMを聞きながら執筆しているのですが、曲の内容によっては作業がとても進んだりするのですが時々物凄く懐かしかったり好きな曲が流れたりして作業が進みません。
あれは作業用BGMじゃなくて作業妨害用BGMだね。
さて、物語の方はとても重要な単語が出てきました。
恐らく多くの方が気になるでしょうが、まだ色々と秘密です。
これらは三章の外伝の方で触れますので我慢してください。
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