明星・後篇

 

<SIDE:白銀武>

 

『超大型兵器ならぬ超大型BETAか』

フェイトさんの言葉に思わず全員頷く

『確かに此処までデカイ敵と戦ったことは無いな、そもそも100m以上もあるようなモノなんて見たことが無い』

『いや、過去にはそれ位巨大な兵器は有ったらしいし旧世代の遺産の中にはそれ位あってもおかしくは無い』

『まあどっちにしろ、あれもBETA何だから倒すだけだろ』

『同感だ』

いや、あの、何で皆さんそんなに堂々としているんですか?

『それにしても、ホント気持ちが悪いわ、この世界の女性はよくあんなのと戦えるわね』

シーラさん、貴女もですか…そうですか

『…大丈夫だよタケルちゃん……』

純夏、声に力が入ってないぞ

『さて、そんなことよりもだアレをどうする?』

漸くエヴァンジェさんが話を戻した。

『倒すしかないが…難しいな』

確かに、あんなデカイヤツをどうすれば、それにさっきから何故か他の部隊が後退しているが……まさか!

その考えにいたった時、一機の戦術機が跳躍ユニットを吹かして近くに来た。

あれはF-22A? でも細部が違うしなによりもパイロンに長刀を装備している。

『急いで後退しろッ、まもなくG弾が投下されるぞ!』

向こうから通信が入るがなんで米軍が警告しに来たんだ?

『投下までの時間は?』

『何?』

『G弾投下までの時間を聞いているんだ』

『あと13分だ』

『撃破は無理か…仕方ないあのでか物はG弾で仕留めるか、白銀いいな?』

エヴァンジェさんが聞いてくる。

当初はG弾を撃墜する予定だった、あんなモンを俺達の故郷に落したくはなかった。でも同時に落した方がいいという葛藤あった、そうすればG弾が生み出す被害等をしった各国の批判などを考えれば、けどあの巨大なBETAの出現は誰も予想はできなかった。

純夏はリーディング等のESP能力は持っていない、純夏が受け継いだのは記憶や知識のみだからBETAの行動は読めなかった。

『白銀』

「…クソッ、分かっています、分かっていますけど!」

理性では分かっているけど、それを感情が許さない。

『タケルちゃん、いいよ別に、確かに人が住めなくなっちゃうけど、その代わり横浜基地ができるんだし生きていれば如何にかなるよ』

「純夏…」

確かに生きてさえいればどうにかできるし明星作戦もうまく行く、あの時のように横浜基地が存在する。

「ああ分かったよ。エヴァンジェさん、G弾を落してアレを倒します」

『そうか、分かった』

『本気かッ!? お前達ッ』

米軍の衛士が驚くが、まあ普通はそうだろうな、でも生憎、俺もこの人達も普通と言う枠に収まらない人種だからな

『悪いが本気だ』

「それでエヴァンジェさん、作戦は?」

『時間が無いから手短に作戦を説明する。BETAは我々を最優先の撃破対象にしている。だから接近して一定時間ヤツを釘付けにする』

『なら接近するのは私とゼロとシロガネの三人だな』

『いや、ゼロと白銀の二人だ』

『なッ、何故だ!』

『理由はG弾が落ちるまでに退避しなければならないからだ、ならそれが可能なのはルシフェルとホワイトセラフのOB搭載機だ、フォックスアイも搭載しているが二機に比べて機動性が低い、だからルシフェルとホワイトセラフで行く』

なるほど、確かにOBの速度があれば可能だ、でも

「でもエヴァンジェさん、ホワイトセラフは射撃武器の威力は低いですよ、あんな巨大な化け物相手に威力が低ければ余り陽動にならないんじゃ」

『その辺りも考えている。ホワイトセラフの右手武装をファシネイターのハンドレールガンと交換する。レーザーマシンガンでは歯が立たないがレールガンなら穴を開けることも可能なはずだ』

『仕方がない、シロガネ、使え』

ファシネイターのハンドレールガンとホワイトセラフのレーザーマシンガンを交換する。

『それで、他は如何するんだ?』

『私達は後方からの支援だ、ただし私とジナイーダは他のBETAの相手だ、邪魔をされては敵わんからな』

「『了解』」

『よし始めるぞ!』

その言葉と共に俺とゼロさんは飛び出す。後方からはレーザの発射される音が聞こえる。

『あんた達聞こえてるッ』

この声は夕呼先生、でもこんなに切羽詰った声を出してどうしたんだろうか?

『聞こえている』

『あと数分でG弾が落ちるっていうのも聞いているわね』

『聞いている。だからアレを如何にかする』

『そう、やれるのね』

『やれるかやれないかじゃない、やるのだ』

『フッ、いいわ、此方でできる事はある?』

夕呼先生が苦笑しながら問う。

『では他のBETAを任せたい』

『いいわ、そっちにAL砲弾と支援砲撃を行うわ』

『感謝する』

これで少しは楽になったかな?

今度は、F-22A? からまた通信が

『支援砲撃の要請をしておいた。それとBETAは幾らか此方で引き受けよう』

? どうして米軍がそんな事を…そう考えている内に飛び去っていった。

 

 それにしてもデケェなこのBETAはACがホント虫に見えてくるな

『行くぞッ』

ルシフェルが攻撃を仕掛ける――両手のライフルを掃射――BETAに命中するも大して効いた様子は無い

「ヤッパリ図体がデカイ分、攻撃が効き辛いか」

BETAが攻撃をしてくる。いや、攻撃と言うよりもただ移動しているだけかもしれないがこれだけの巨体なら移動しただけでも攻撃になる。

レールガンを撃つ――命中、当たった箇所は黒くなっている――更に後ろからハイ・レーザー数発とグレネード弾、レーザー、バズーカ弾が連続で飛んでくる――BETAが仰け反る――流石に今の攻撃は効いたのだろう

『効いているようだな、このまま押し切る!』

ルシフェルのレーザーキャノンが当たる――こっちもナパームロケットを発射する――レーザーの熱とナパームがBETAの体を焼く

『ゼロ、白銀、支援砲撃が来る。離れろ』

「『了解』」

OBを使い支援砲撃の範囲から逃れる。残り時間は…後五分か

『二人とも、残り時間が二分を切ったら、急ぎ撤退しろ、悪いが私達はあと一回掃射したら離脱させてもらう』

「『了解…ちぃ/うぉ」』

支援砲撃の爆炎の中からBETAの巨体が現れる。そしてその大きな体を振ってくる。

その攻撃を上空に飛んで回避する――蛇のように上体を持ち上げて体を振ってくる――それを更に避ける――上空からナパームロケットを連続で放つ――援護攻撃が来る――全弾BETAに着弾――ブースト音が聞こえ段々遠ざかっていく

あと四分

ルシフェルがOBで接近――俺は地上に一旦降りる――レールガンを撃つ――ルシフェルの両手のブレードが振るわれる――二つの青い光がBETAを斬り裂いていく――MB(マルチブースト)で反転――両手に銃を持ち替える――右手・ライフル――左手・ショットガン――掃射――こっちもハンドレールガンを撃つ

あと三分

光波を飛ばす――八本のレーザーが飛来する――光波は少しばかり斬り裂く――そこに目掛けナパームを撃ち込む――ナパームが当たる――同時にルシフェルの両肩レーザーも同じ箇所に命中する――更にそこにレールガンを撃ち込む

あと二分

ルシフェルとホワイトセラフ、共にOBを起動する。徐々にBETAから離れていく――ルシフェルが先に遠ざかっていく――エクステンションを起動――OBをずっと発動し続けると発熱が上がるがあえて無視する。

あと一分

全員と合流、急いで廃ビルに機体を隠す。

あと0分

G弾が投下される。

今までに一番の轟音、そしてとてつもない衝撃、あたり一面を照らす。

それが収まってきた時

「ん?」

……これは…ッロックされた!!

何処から!?

レーダに反応、それを確認する。

「あれはッ、さっきの米軍機! クッ」

向こうが左手に長刀を持ち此方に斬りかかって来る――こっちも急いでレールガンを手放してZANGETUを抜く――長刀をZANGETUで受け止める――長刀とZANGETUが接触している部分から火花が散る。

「何の積もりだ!」

俺がそう問うと相手は

『私はずっと求めていたッ、君達のような存在を!』

「何を言って…ッ」

『君達のあの技量! そしてその機体の力! どれを取っても素晴らしい! 私は心の底から君達に惚れたよッ!』

何を言ってんだよッこいつは!

鍔迫り合いの状態でZANGETUの高周波機能を入れる――刀身が高速で振動する

『!?』

そのままの状態でいると相手の長刀が真ん中からポッキリと折れる

『なッ!!』

チャンス!

「おおぉぉッッ!」

ZANGETUを両手に持ち、垂直に振り下ろす――『クッ』相手の苦悶の声と同時に右のパイロンから新たな長刀を引き抜く――再び打ち合わされるがZANGETUの高振動の前にまたもアッサリと向こうの長刀が折れる

相手は、折れた長刀を破棄して左のパイロンから突撃砲を取り出す――突撃砲をこちらに向けて撃ってくる――36mmと120mmの雨をかわす――向こうが接近してくる――そして突撃砲で突きを放つ――あの突撃砲には銃剣が取り付けられているのか――そんな事を考えながらながらレールガンを拾う――レールガンを相手に向けて撃つ――レールガンに集まる光を見て相手が危険と察知したのかすぐさま突撃砲を撃ちながら回避行動に移る――だがもう遅い――レールガンの弾は光速で撃ち出される――そして相手の突撃砲を持つ左手を腕ごと吹き飛ばす。

『クッ、これは…まさかここまでとはな、素晴らしい、まさかブラックウィドウⅡが歯が立たないとわな』

ブラックウィドウⅡ!?

聞いたことがある。確か米軍で第三世代機の座をF-22Aと競い合ったって…

『ふむ、すまないが名前を教えてくれないか』

「は?」

なんなんだこいつ? 意味がわかんねぇぞ、でもとりあえず言っとかなきゃ話がすすまなそうだな

「…白銀武」

『白銀武か憶えたぞ、その名前!』

「こっちが名乗ったんだからそっちも名乗ったらどうだ」

『おっと、これは失礼、私は米軍オルタネイティヴ5派特殊部隊【エグザイル】の隊長を務めているアレス=F=カーライル大尉だ、この名をよく憶えていてくれよ白銀武!』

そお言って、アレスという男は撤退していった。

『見事な退き際だな』

『それにしてもあの男、危険かも知れんな』

いつの間にかエヴァンジェさん達が傍に来ている。とりあえず今の俺は無性にこの言葉をエヴァンジェさんに言いたい

「エヴァンジェさん、追撃しますか?」

『慌てるな、次も敵とはかぎらんだろう』

最後に妙な邂逅があったがこれで明星作戦は終った。

 

 

 

後書き

第二章第六羽終了

巨大BETAとの時間制限つきの戦闘です。実際ゲームでもこんな戦いがあったら面白そうですよね

そして何か出て来ました(笑)。

いや~YF-23ブラックウィドウⅡは米軍の戦術機の中で一番好きですね、米軍機なのに長刀を装備していたり銃剣だとか、なんて素敵性能満載なのだろう。

ちなみに新しいオリキャラ、アレスについては外伝でアレス視点の明星作戦を書きますので、細かな所はその時に・・・

あと、補足ですが自分の作るオリキャラの大半は何がしかの元ネタが存在したりします。

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