契約

 

 

<SIDE:ゼロ>

 

あれから一ヵ月後、エドから報告が来た。

香月博士の居場所は帝国軍の厚木基地と言う場所に居るらしい――なおこの一ヶ月、エドはどうやって生きたのかと聞くと「セントウ」と言う風呂屋に住み込みで働いていたらしい

その後戻ってきたエドにジャックがデータを打ち出し印刷した紙の入った封筒をエドに渡し、厚木基地に向かった。

それから二日後にエドからの連絡で香月博士本人が会いたいらしいから「来い」とのこと

「それでは私と白銀君の二人で香月博士の元に向かう、もし何かあった時はエヴァンジェ、君が態様してくれ」

「うむ、任せておけ」

「それと所定のポイントに手土産のコンテナの移送をジノーヴィー達に頼む」

「「「了解」」」

ジャックとシロガネを厚木基地まではコンテナを運ぶ時に手頃な場所まで連れて行く。

 

<SIDE:白銀武>

 

これから夕呼先生と会うのか、大丈夫なのか?

俺とジャックさんは共に丸腰、心配にもなる。

「どうした不安かね?」

「ええ、正直丸腰は不安です」

「問題ない、私は以前丸腰で武装勢力の説得をして彼らの組織を取り込んだことがある。交渉事は得意だ」

へ~、そういえばエヴァンジェさんが言ってたっけ、ジャックさんは以前はレイヴンズネストの元となった組織レイヴンズアークの主宰だったり武装勢力のリーダを勤めてたって。

「着いたか」

目の前のゲートや基地の外観は横浜基地とは違う―ゲートに着いて少しして守衛が来た。

「ここ厚木基地に何か御用が?」

「此方に香月博士が居られと思うのだが」

「確かに此方に香月博士は居ますが博士に何の御用で」

「では、博士に伝えてくれ、あなたにデータを渡した人物が要望通り直接来たっと」

「はぁ」

守衛はそのまま守衛室に入って行き、それから暫く…

「お待たせしました。香月博士がお呼びです」

「それで、どちらへ?」

「はっ、まもなく博士の秘書の方が来ますので…あっ来ました」

「そうか、ありがとう」

こちらに来たのはピアティフ中尉

「あなた方ですね、私は香月博士の秘書のイリーナ・ピアティフと申します。どうぞ此方へ」

そのままピアティフ中尉に着いて行く。

 

案内されたのは厚木基地の中でも一番セキュリティの高い部屋でそこにあの人は居た。

「あなた達があの面白いデータをくれた人達?」

夕呼先生、オルタネイティヴ4の責任者で天才・魔女と呼ばれる人、でも誰よりもこの世界を救おうと頑張っているすごい人。

「ええ、そうです」

「ふ~ん、で、何が目的」

「話が早くて助かります」

「アタシの勘なのだけどね、そこの少年よりも貴方の方が厄介に見えるのよ」

少年って、それよりもさっきから空気が重い。

「では、単刀直入に申し上げます。香月博士、貴女には我々のスポンサーになって頂きたい」

「スポンサー?」

「我々は傭兵ですが、この世界で生きるには余りにも不足している物がある」

「待ちなさい、この世界って言ったわよね」

「それが何か?」

「まるで別の世界から来たような台詞ね」

こっわ!! この二人怖い、俺の存在って何??

「ソレについては貴女が一番良く知っておられるのでは」

「どういう意味かしら」

「因果律量子論」

ぴっくと夕呼先生の体が反応する。

「どこでそれを?」

「それについては私よりも彼の方が」

えっおれ!?

「あっえっと初めましてと言うのも変かな」

「アタシとあんたは初対面のはずよ」

「白銀武の名前に心当たりはありませんか?」

おっ今度は眉毛が反応した。

「ねえ、あんた00ユニットや社霞、A-01てっ言葉に心当たりは」

!!??

「如何してそれをッ?」

「最近変な夢をよく見るのよ、その夢には大抵、あんた白銀武が出てくるのよ」

!?

如何いう事だ?

「これは、アタシの推測だけどね、アタシとアンタ、白銀が別の平行世界でオルタネイティブ4を成功させた。だけどそれは多くの犠牲が合ったからこそのもの、そしてその時アタシ達は願った。別の結末も有るんじゃないかってね」

すごい、流石夕呼先生だ、ただ夢を見たというだけじゃなくそこから今の事象に結びつける。

「自分でも甘い考えよねーって思うんだけど、やっぱりスッキリしないものはしないのよね、だからこんな不思議なことも起きている」

「それじゃあ俺たちに協力してくれるんですか!」

「そう簡単に『はいそうですか』って言うと思っているの」

「ぐぅ、で、でもあのデータはッ」

「確かにあのデータは役に立つし興味ある、でもそれと貴方達に協力するのは話が違うわ」

うっ、う~ん

「じゃあ如何すれば」

「簡単よ、貴方達の別の世界の力を示しなさい」

力を示す……はッ!!

「明星作戦ッ!」

夕呼先生が唇を吊り上げる。

「そうよ、来年の夏に明星作戦が行われる。そこで貴方達の力を示しなさい、その時の戦果次第で協力してあげるわ、一ヶ月前に静岡の方で暴れたのは貴方達でしょ、その時と同じように暴れてくれればいいわ」

「そのことで幾つか良いだろうか?」

今まで聞いていたジャックさんが口を開いた。

「なに?」

「我々には武器の弾薬を補給する手段が無い」

「ふ~ん、その為にあのデータを渡したの?」

「それも有る、が、我々から一つ手土産を用意した」

「手土産?」

「此処から少し離れた山中に我々の兵器を幾つかを置いている」

「それをアタシ達にくれると?」

「その通り、そしてソレを其方で色々使って貰って構わないが、出来ればこの国の企業で貴女が選んだ企業にその兵器の情報を渡し其処で武器及び弾薬の生産をして欲しい」

「へぇ、随分と気前が良いわね」

確かに、ただヘタをすればその情報が其処から国外惹いてはアメリカに渡る可能性もある。

でも、同時にこれしか方法が無い、じゃなきゃAC用の弾薬等が調達できない

だからこそ夕呼先生が選び、信頼した企業にのみ情報を与える。それがジャックさんの考え

「それって武器だけ?」

「いや、我々の乗機であるアーマード・コアは個人が選んだパーツを組み合わせることによって一つの戦闘兵器となる、その為此方から複数のパーツを渡すので其方で色々確認して貰いたい」

「へ~面白そうね、ソレ」

あっ夕呼先生が新しいオモチャを手に入れったって顔してる。

「それでは商談成立かな」

「ええ、商談成立よ、そして同時に仮契約も成立ね」

お互い口を吊り上げながら握手をする。

 

<SIDE:香月夕呼>

 

出口へと見送る。

あっ言い忘れてた。

「ねえ、今度またそっちに連絡するときは如何すればいいの」

「そうだな、では一ヶ月に一度此方から使者を派遣する、ついでに通信の周波数を教えよう」

「場所は教えてくれないのね」

「フッ、朝起きてみれば行き成り大部隊に包囲されていたなんてのは勘弁して貰いたいからな」

喰えない男ね

「それではこれで失礼する。香月博士、お互いのこれからの為に」

「失礼します。夕呼先生」

二人は去っていくが、さて

「ピアティフ」

「はい」

「彼等が言っていた場所に伊隅達を向かわせなさい」

「了解しました」

さて、異世界の兵器楽しみね

 

<SIDE:白銀武>

 

夕呼先生との交渉も終わり、これからの行動を決める。

「取り敢えず、俺は定期的に厚木基地に行けば良いんだな」

「ああ、頼むよ」

「了解、背に腹は変えられねぇ」

エドさんの了解は取れた。というか完璧に事後承諾

「それでこの一年近くは如何するんだ」

ジナイーダさんの意見は尤もだ。

「それについても考えている。まず我々の改良した機体の慣熟と白銀君のACの操縦の技量を上げるため一ヶ月に一回だけ出撃する」

「場所は決まっているのか?」

「問題無い、この国の九州と呼ばれる場所に行く」

九州って此処から結構遠くない?

「ジャックさん九州って此処から遠いですよ」

「なに、ACの機動力が有れば一日か二日で帰ってこられる」

無茶苦茶な

「フッ、楽しくなりそうだな」

「同感だ」

ゼロさんとジナイーダさんの言葉に全員が頷く

俺も頑張ってこの人達に近づかなきゃッ!!

 

 

後書き

一章第十羽終了

これで一章は終わりですが後は外伝的なものを数羽書いたら第二章の明星作戦です。

↑止めました。あと一羽書いて二章に入ります。

しかし色々無理の無い様に書きましたが如何でしょう?

誤字脱字、感想等は掲示板にてお願いします。