ジナイーダ

 

 『インターネサイン』中枢に一機のACが佇んでいた。

ゼロのAC「ブルーセラフ」

そして彼は彼女を待っていた。

少しして、天井のダクトから一機のACが降りてきた。

ジナイーダの「ファシネイター」

若干コアに損傷が見られるものの戦闘に支障はない。

ファシネイターは床に着地して、2機は向かい合う

 

<SIDE:ジナイーダ>

 

静寂に沈む中枢を見渡し一機の蒼いACを確認する。

武装こそ変わってるものの間違いなくあいつの機体「ブルーセラフ」

「お前か、そんな気がしていた」

相手は応えない

そもそも、戦いに言葉は不要

これは一種の挨拶みたいなもの

「私たちの存在・・・それが何を意味するのか、これでわかる気がする」

ファシネイターを一歩前に出す。

向こうもゆっくりと戦闘体勢に入る。

緊張した空気が流れる。その一拍後宣言する。

「お前を倒し最後の一人となった・・・その時に!!」

同時に背後から青い炎が上がる。

肩のミサイルを連動ミサイルと混ぜて発射する――向こうもミサイルを撃ってくる。

回避し両腕のマシンガンとハンドレールガンを撃つ――向こうも回避し両腕のマシンガンとバズーカを撃ってくる。

様々な攻撃が飛び交い、辺りを明るく照らし出す。

並みのレイヴンならすでに決定的な攻撃が当っただろうが、お互いにただのレイヴンじゃない

私はブースタを使い大きく回避する――向こうはブーストを小刻みに吹かしまるでステップを踏むかのように回避する。

お互いに紙一重で回避しながら、破壊の銃撃(メロディー)を奏でる

「これが・・・この力こそが」

 私は知らず震えていた。

それは武者震いと

はじめて味わう死の恐怖

「運命か・・・」

今ならその言葉を信じてもいい。

ここは観客も審査員も居ない二人だけのダンスパーティーの会場

まるで夢のような一時

だが

「『夢はいずれ覚める』」

自然と口に笑みが浮かぶ

どうやら同じ考えだったようだ、それが嬉しい

だからこそ!

「まだだ、まだいける」

心の底から歓喜が溢れる。

自分の気づかなかったもの、自分の気づいていたもの、気づいても目をそらしていたもの私のありとあらゆるものが、一挙一動に流れ込んでいる。

その流れを感じることにより、私は『己の全て』を『自分という存在』を隅々まで把握し、それと一体になっていた。
 
右手のレールガンを撃つ――相手が横に回避

そこでマシンガンを撃つ――相手はそれさえも上昇で回避し、さらにはミサイルの雨を降らせてきた。 

マシンガンの弾幕でミサイル群を瞬く間に撃ち落とす――ブルーセラフを追って空中にいく。

ハンドレールガンを空中にいる相手に撃つ――ミサイルがパージされる。

青い光がミサイルを貫く―あたり一面が光り大きな火球が出来る。

その向こうからマシンガンの弾とバズーカの弾が飛んでくる。相手の機体を確認すると、装甲の一部が溶けている。そして肩のもう一つの武器であるロケットもパージされている。

高機動戦闘にお互い持ち込む。

撃つ、回避、撃つ、回避、撃つ、回避、撃つ、回避、撃つ、回避、永遠に続くかのような破壊のロンド

だがロンドは真に終わりが無い訳ではない、

指揮者や演奏者が永遠に演奏が続けられるわけがないしオーディオ機器でもいづれ別の曲に変える。

そう、近いうちに終わりを迎えてしまう。

残念でならない

でも、だからこそ今この最高の瞬間、一時を味わいたい

肩のパルスキャノンを撃つ――向こうは回避しながら地上に降りる。

レールガンを撃つ―相手の頭部に直撃して破壊する。

もうあれではまともな戦闘は出来ない

「終わらせる」

けれど向こうは諦めてなかった。

バズーカが撃ち出される――ファシネイターの脚部に吸い込まれるように当る。

「なにっ」

バランスを崩す。

それをブーストを使って立て直そうとするが

『最高の瞬間だった』

『だが、閉幕だジナイーダ』

あいつの声が聞こえた。その瞬間バズーカの弾がファシネイターのコアに直撃した。

 

負けた

バズーカの一撃は外部の装甲を内部を破壊した。

警告音がうるさい

少しすれば爆発する。

だが脱出しようとは思はない。

もはや間に合わないことであるし、何より、今の私にとって『そんなこと』はどうでもよかった。

機体が倒れかけ、それをハンドレールガンで支える。

見事だった。

目の前に立つ勝者を見上げ、まず思うのはそれだった。

絶望的な状況でありながら諦めずこちらに攻撃を当ててくる。

「ああ・・・」

あいつ自身の在り様を生き様を理解した気がする。

絶体絶命でありながら、逃げず、屈せず、諦めず、最後まで己を信じて立ち向かう。

その姿は誇り高いと思う。

常に己の力だけを信じて、臆することなく道を開いていくというその姿勢、それはまさしく、私が思い描いたレイヴンの理想像だった

「私はただひたすらに強くあろうとした・・・」

気がつくと、そう呟いていた。

目の前の男に向かって

「そこに私が生きる理由があると信じて・・・」

警告音が消えた。どうやらCOMも死んだらしい。

だけでなく、いつの間にか無線以外の全システムもダウンしていた。

もはや、爆発まで間もないだろう。

だが私は笑みを浮かべている。

「やっと追い続けたものに、手が届いた気がする・・・」

この死闘の中で、私はようやく『答』を掴んだ。

そして、誇り高い相手と、最高の殺し合いをさせてもらえた。これは私が予想した、どんな最期にも勝る幕引きだった。

「レイヴン・・・」

音声が乱れた。

もう時間はない。だが私は臆することなく続けた。目の前の相手に、

最大級の思いを込めて

「その称号は、おまえにこそふさわしい・・・」

私の意識はそこで落ちた。

 

 

後書き

プロローグジナイーダ終了

ゲーム中に苦戦した相手その位置です。後もう少しで勝てるって言うのにパルスキャノン喰らって泣きそうな気分でしたよ。

後、倒したときに思ったのが「機体過剰に爆発していない?」って思いましたね

ちなみに自分はジナイーダルートは真のラストレイヴンって思っていません。理由はエンディングの時「あれジャックは?」って、

ラストレイヴンを持っている人は確認してみてください、中枢突入前にレイヴンリストで生きてますから

誤字脱字、感想などは掲示板にてお願いします。