フェイト

 

それは異様な光景だった。

巨大なビルの上では、一機の人型兵器<ARMORED CORE>とARMORED CORE(以後AC)に、大量に、いや無限に押し寄せてくる。なぞの物体だった。

 

旧世代の遺産

 

それが、これらの正体。

彼は、キサラギからの依頼で「旧世代兵器起動阻止」のミッションを受けていた。

これの前の依頼で試作として開発されていた旧世代のMT(マッスルトレーサーの略)の破壊を受けていた彼は、旧世代の遺産は危険と判断し、この仕事を請けていたが、すでに間に合わなく旧世代の兵器は起動をしていた。

そして今は、その旧世代の兵器をペイロードシティの屋上で迎撃をしていたが、とても対処できる数ではなく苦戦していた。

「クソ、このままでは駄目か、だが逃げるわけにはいかないっ!!」

自分の下には、まだ退避できていない者もいる。それがすむまでここから引くわけにはいかなかった。

「ぐぅぅっ」

そしてまた被弾

「オペレーター人員の退避状況はどうなっているっ!?」

叫ぶようにオペレーターに問いかけるが、返事は無い。

(通信すらも出来ない状況とわな、仕方ない『あれ』を使うか)

「AI、全システム完全起動その力の全てを発揮させろーー」

[システム了解、ホワイトセラフの全機能リミッターを解除します]

AIがそう告げると同時にフルフェイスヘルメットとコクピットのディスプレイに『リミッター解除』の文字が出る。

「さあ、もう少しだけ持ってくれよ俺の身体、ホワイトセラフっ」

今までとはまったく違うスピードを出しながらなぞの兵器軍を攻撃して行く。

時には自機に迫ってくるものを瞬時に撃ち落とし、時には擦れ違いざまにブレードで切り捨てたりと圧倒的な強さを見せつけるが。

「があぁぁ」

[AP10%危険です。稼動限界も残りわずか]

やはり圧倒的な数の前には無力であった。

「ここまでか」

やがて徐々に目の前が暗くなっていく・・・・・

(ああ、ゼロは弟はどうしたんだろうか無事だといいんだがな)

 

<?>

其処は何も無い空間だった。

「ここは、俺は死んだんじゃないのか?」

フェイトは困惑していた。

それは誰だってそうだろう「死んだ」と思っていたら何も無い空間なのだから。

「死後の世界にしては何か現実感のようなものもあるが」

「あのっ」

「ん?」

考え込んでいたらいきなり目の前に少女が現れた。

年はおそらく10代後半ぐらいで頭の上に一房だけ飛び出た髪の毛がかわいらしい。とフェイトは思った。

「きみは?」

とりあえずフェイトは彼女に質問をした。

「え、あ、はい、私は鑑純夏って言います。あのあなたは?」

純夏は戸惑いながらも答えた。

「俺はフェイト、レイヴン、傭兵だ」

「レイヴン?」

「ん、知らないのか?」

「はい、全然。傭兵っていうのは一応知っていますが」

ストレートに返された。

「レイヴンを知らないなんて、って此処って何処なんだ?」

「あ、此処は虚数空間です。様々な因果で結ばれた多元並行世界です。」

「虚数空間?因果?多元並行世界?」

彼女が何を言っているのかまったく理解できなかった。

「すまない簡単にだが説明してくれないか?」

「あ、はい」

「平行世界ってわかりますか?」

「まあ、それくらいなら知っている」

「物語なんかによくある事だろ」

「はい、そして此処はえ~とホテルのロビーみたいなものです」

「ホテルのロビー?」

「はい、此処から様々な世界に繋がっています」

「へ~、そいつはすごいな」

「でもほとんど干渉は出来ません」

「どうしてだ?」

「その人が干渉できる世界はその人に関わりがある世界だけです。何の関わりの無い人は別の世界に干渉できません。でもフェイトさんならフェイトさんに関係のある世界になら干渉できるかもしれません」

「俺に関係する世界」

今彼の頭の中には、滅び行く自らが居た世界が思い浮かべられている。

「あの」

「ん」

「フェイトさんは傭兵なんですよね?」

「ああ、俺は傭兵、レイヴンだ」

「レイヴン?」

「俺のような傭兵のことを指す言葉で<AC>のパイロットだ」

「AC?」

純夏の頭の上にまた?が浮かんだ。

「ARMORED COREのことだ」

アーマード・コア

うつむき何かを考えているようだ。

「あのっお願いしたいことがあります。」

「お願い?」

そして不意に彼女から発せられた言葉は

「私たちの世界を助けてください」

「俺は傭兵、報酬があればどんな事でもするさ」

「それで君はどんな報酬を用意する」

そうレイヴンは報酬さえあればどんな事でもする。傭兵だ

「お金とかは私払えませんけど、世界の平和が手に入ります」

「・・・・・」

「あの駄目ですか?」

「フッ、いいだろうその依頼引き受けた」

そう言ったとき彼女の顔が太陽のように輝いた。

別に酔狂でこんなこと言ったのでない。

彼女の真剣な目、そしてちょっとばかりの好奇心とあちらの世界では出来なかったことを成し遂げるということ。

「あ、ありがとうございます」

「あ、ああ」

此処まで感謝されるのは初めてだった。

レイヴンとは尊敬の眼差しもあれば畏怖の眼差しなどもあったから彼女のその感情には戸惑っていた。

「あっそれじゃぁフェイトさんのお知り合いの方々も呼んでおきますね」

「え?ちょっ」

俺の知り合い??

「それじゃぁ向こうでお会いしましょうフェイトさん」

再び意識が遠のいていった。

 

 

後書き

今回は戦闘の所を端折っちゃてますがご了承を

次回からは戦闘が増えます。というかジノ、ジャック、隊長、ジナとの戦闘です。

そして最後のゼロの話は・・・・・